◎ローコストオペレーションとは ◎

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原価を引き下げる一方で、経費をいかに引き下げていくか。
これはローコストオペレーションの範疇になります。
どうやって店舗の運営をローコストで行っていくか、これは小売業の永遠のテーマです。
しかしローコスト経営の内容とはローコストでオペレーションするだけなのでしょうか。
ローコストオペレーションの中身で一番大きいコストは何でしょう?
それは人件費になります。

リスクマーチャンダイジングとローコストオペレーションの同時進行、これが結果としてローコスト経営に繋がっていきます。
しかしリスクマーチャンダイジングとローコストオペレーション、これは水と油のようにまったくもって正反対な考え方です。

リスクマーチャンダイジングを実施しようと思えば、ノー返品、棚卸応援も求めず、自分達で実施するか、外部の棚卸業者に有償で委託する。
改装時にベンダーさんやメーカーさんに応援要請をする場合には、ちゃんと正当な金額の日当を払って対応してもらう。

このようにリスクマーチャンダイジングを実施しようとすればする程、自分達でリスクを持たなくちゃいけませんから、ハイコストオペレーションになる可能性があります。
そこでリスクマーチャンダイジングをやりながら、ローコストオペレーションもやる方法がマネジメントになります。
このマネジメントのレベルを、自分達のやり方を根本から見直すことによって、自分達がリスクを持ってもコストがかからないように引き上げていく。
それは今までのやり方、方法では不可能です。

今までのやり方、方法は全て過去の成功体験に基づいています。
外的要因、内的要因の環境が日々変わっていく中で、マネジメントの方法も変えていく。
リスクを持ってもローコストで運営できる方法に変えていくことが、最終的に利益を生む体質に変わっていきます。

そしてその利益を3等分する必要があります。
3等分の中の1つ、これは従業員の給料アップに使っていきます。
従業員の方々には、自分達がローコスト経営を推進していけば、給料が上がるんだという認識をしっかり持っていただく必要があります。

次の3分の1、これはお客様に還元していきます。
お客様に還元するということは、新しいサービスを提供するということに他なりません。
今までやりたくても出来なかったサービスや品質等を、ローコスト経営で実現可能にしていきます。
そうすることで新しい競争力がつき、競合店との差別化につながっていきます。
そしてそれが集客力のアップにつながります。
集客力がアップすれば売上の増加につながります。
売上が増加すれば、利益の拡大につながっていきます。
このようにどんどん「好循環」していきます。

ローコスト経営はリストラでも単なる経費削減でもありません。
企業の確かな方向性として、ローコスト経営のパターンやコンセプトに基づき、システムを構築していくことが大切なのです。

最後の3分の1、これは企業の利益として内部留保する必要があります。
企業も常にリスクを持っています。
新規事業も展開していく必要があります。
その為にも3分の1は確保しなくてはなりません。

-リスクマーチャンダイジングの目的-その(5)ー  に続く。